雪風

政治や経済に関するニュース等について、 私見を書き綴っています

中国がアメリカへ仕掛けたアヘン戦争?

                (略) 
8月に米国の疾病管理予防センターの公表資料によると、2017年に7万人以上が薬物の過剰摂取(オーバードース)で死亡した。そのうち68%が麻薬性・合成鎮痛剤であるオピオイドに関連する
米国では一般的に、このオピオイドフェンタニルと呼ばれる成分から合成される。フェンタニルはヘロインの50倍、モルヒネの100倍の鎮静作用がある
近年、米国では処方箋によるフェンタニルの過剰摂取で中毒死するという問題が表ざたになった。2017年10月、大統領は薬物需要とオピオイド危機について公衆衛生の非常事態宣言の検討を保健福祉長官に指示した。
トランプ大統領は最近の閣僚会議で、ジェフ・セッションズ検事総長に「中国とメキシコから出てくるフェンタニルを調べて欲しい、いかなる法的処置を取ってしても(流入を)止めて欲しい」と述べた。
米国におけるフェンタニルの輸入元は大半が中国だ。ロサンゼルスの保健当局者は、中毒性薬物が街でより常態化しており、他のオピオイドよりも多くはフェンタニルに起因する事故で死亡しているという
専門家は、悪質なフェンタニルの蔓延(まんえん)は、米国に向けられた「アヘン戦争」であると表現する。フェンタニルは死に至る高い中毒性により、軍事目的の化学兵器とみなされている。
                (略)
2016年10月のBBCの報道によると、多くの中国企業フェンタニルよりも100倍強力で、米国や日本で指定薬物扱いのカルフェンタニルを輸出していることが明らかになった。米国は早期に中国に規制を求めていたが、2017年2月に規制されるまで、公然とインターネットなどで販売され、大量に流通していたといわれる。
                (略)
引用元:アヘン戦争ふたたび 中国製の合成薬物が米社会を破壊=米専門家

 

 

 

所見
 鎮痛剤オピオイドは医療現場で処方される薬です。2017年10月27日の産経新聞では、

日本などでは激しい痛みの時に限定して処方されるが、米国では製薬会社が売り込み、医療現場で積極的に使われた。
引用元:
【トランプ政権】中国から流入麻薬「オピオイド」過剰摂取「非常事態、国家の恥」死者急増でトランプ大統領(1/2ページ) - 産経ニュース

 と伝えています。また、ニッセイ基礎研究所の記事では、

オピオイドは当初、常習性の無い鎮痛薬として病院で普通に処方されたため、米国内での使用者が急増した。その後、処方された患者には鎮痛効果の逓減に伴いオピオイド使用量が増加する傾向があるほか、オピオイドの摂取を止めることで、不安や不眠などの離脱症状がみられるなど、次第にオピオイドには常習性があることが明らかになっている
             (略)
同大統領はオピオイド問題への対応として、製薬会社に対して処方する医師への指導を強化することや、患者に対する処方量の制限を強化する考えを示したほか、常習性の無い鎮痛剤の開発を促した。
引用元:深刻化するオピオイド問題~トランプ大統領は、昨年10月の非常事態宣言に加え、19年度予算教書でオピオイド中毒の対策費用を議会に要求 | ニッセイ基礎研究所

と記しています。この2つの記事から、オピオイドには常習性があることがわからず、医療サイドの利益追求の結果、大量のオピオイドの中毒者が蔓延してしまったと捉えることができます。オピオイドはフェンタニエルの成分から合成されるので、フェンタニエル蔓延の土壌をアメリカの医療が作ってしまったと言えるのはないかと思います。
 オピオイド常習性とその危険性が判明し、処方制限がかかったことから、非合法ルートで購入する者も出てくると思います。非合法ルートのフェンタニルが、中国からの輸出品ということでならば、アメリカへ向けられたアヘン戦争と言えるかもしれません。
 いずれにしても、根本の原因は医療現場であり、医療現場は二度とこのようなことがないように対策を講じるべきでしょう。