雪風

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独、反難民デモが行われたザクセン州を偏向報道によってバッシング 難民政策見直し=ナチ

「独メディアがザクセン州民への「ヘイトスピーチ」を繰り返す背景」の要約

  1. 8月26日、ザクセン州ケムニッツでドイツ人がナイフで襲われ死亡。容疑者は、シリア人とイラク人の難民で、すでに拘束されている。第3の男性容疑者もおり、警察が指名手配中。男性容疑者は武器を所持している可能性があり、州民の不安は大きい。
  2. 殺人事件のあと、ザクセン州ケムニッツ市内では、右派、左派双方のデモが起こった。デモは1日では終わらず、両グループとも、大勢の市民に加えて全国から駆けつけた暴徒、フーリガンが混じり、エスカレートし、一触即発の状態になった。
  3. ザクセン州では極右の市民が町に繰り出し、外国人狩りを行っているという報道を毎日のように行ったザクセンの州民全員が、極右としてバッシングされ続けた。さらにザクセン州民をナチ呼ばわりした
  4. 9月1日にザクセン州の州警が、外国人狩りが行われたという証拠はないと発表し、メディアの報道を完全否定した
  5. このザクセン・バッシングの背景には、同州でのAfD(ドイツのための選択肢)の伸長がある。同州ではこの新興右派政党の支持が強く、既存の各政党にとっては脅威。

  6. AfDの支持者は、既存の政治家やメディアの言葉を信用しておらず、一番真実に近いことを言っているのはAfDだと思っている。だから、AfDを潰すために、政治家とメディアが一体となって攻撃している。

  7. 9月5日、ザクセンの州議会で、州首相クレッチマン(CDU・キリスト教民主同盟メルケル首相率いる与党)が、外国人狩りはなかったと明言した。自党の党首であるメルケル首相に楯突いたことになる。
  8. ドイツでは、誰がどこから何人入国し、どこにいるのかわからないという事態が3年続いている。難民資格がなくても、犯罪者であっても、国外退去にもならずドイツの税金で暮らしているケースも少なくない
  9. 右派、左派の主張の食い違いは、右派が治安回復を求め、制御不能になってしまっている難民政策の見直しを求めているのに対し、左派は、右派をナチと糾弾している。FDP(自由民主党)の政治家が、「今起こっていることの根本原因は、メルケル首相の難民政策だ」と言って、袋叩きに遭った。

参照元独メディアがザクセン州民への「ヘイトスピーチ」を繰り返す背景(川口 マーン 惠美) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

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 所見
 先日のドイツのザクセン州のデモに関する記事ですが、非常に興味深い記事でした。この記事を書いた川崎マーン恵美氏は、記事のプロフィールによると、ドイツのシュトゥットガルトに在住しているようです原発関連でドイツの現状を記事にしており、読んだことがあります。大手メディアを介さないドイツ在住の方の記事は非常に参考になります。また、ウィキペディアによると川崎マーン恵美氏は、日本国籍であり、この記事は、ドイツに住んでいる外国人という立場から見た難民問題ということになります

 殺されたドイツ人がキューバ系のドイツ人、容疑者は、強制送還対象者だったという報道もあったので、ザクセンでのデモが差別主義者による単なる外国人排斥運動ではないと感じていましたが、川崎マーン恵美氏も記事の中で、「右派が治安回復を求め、制御不能になってしまっている難民政策の見直しを求めている」と言っております。やはり、デモの起きた大きな原因として、難民による犯罪、そして、ドイツ政府の難民に対する犯罪の取り締まりの甘さがあると思います。

 難民受け入れを厳しくしようしたアメリトランプ大統領は、メディアやリベラルに差別主義者のように扱われますが、ドイツでも難民政策を見直そうとするとナチというレッテルが貼られるようです偏向報道については、アメリカ・日本でもしばしば問題にされますが、川崎マーン恵美氏の記事を読む限り、かなり悪質な偏向報道を行っている印象を受けました。