雪風

政治や経済に関するニュース等について、 私見を書き綴っています

海上自衛隊潜水艦、南シナ海で訓練 来月は日中首脳会談

海上自衛隊は17日、潜水艦「くろしお」がヘリコプター搭載型護衛艦「かが」など3隻と南シナ海で訓練したと発表した。実任務に就く潜水艦が南シナ海で訓練するのは初めて
             (略)
中国は独自の境界線「九段線」を引いて南シナ海の大半の主権や権益を主張し、人工島を造成。滑走路やレーダー施設を建設しているが、今回の海自の訓練は、九段線内側の公海上で行われたとみられる
引用元:潜水艦、南シナ海で初訓練 海自が異例の公表 中国けん制 - 産経ニュース

 九段線:
 南シナ海の領有権問題に関して、中国が南シナ海全域の権利を主張するために地図上に引いている破線。断続する9つの破線で示される。2016年7月12日、ハーグの常設仲裁裁判所は「法的根拠がなく、国際法に違反する」と判断を下した(九段線 - Wikipediaより)

関連記事:
英海軍艦艇の南シナ海・西沙沖航行に対し、中国が不満表明 - 雪風
南シナ海で日米共同訓練 - 雪風

 所見
 日中首脳会談を来月に控えているこのタイミングで?まさかと思いましたが、防衛相がプレスリリースとして発表していました。事実のようです。
プレスリリース:http://www.mod.go.jp/msdf/release/201809/20180917-2.pdf

 プレスリリースによりますと、参加したのは、潜水艦「くろしお」、護衛艦「かが」、「いなづま」、「すずつき」及び搭載航空機5機です。訓練目的は、対潜水艦訓練とあります。テレビ朝日の報道によりますと、潜水艦「くろしお」は、訓練後、ベトナムに寄港し、南シナ海での中国の行動に対し、共同で対処する姿勢を示したそうです。
テレビ朝日海自潜水艦が南シナ海で初の訓練 中国牽制する狙い|テレ朝news

 産経の記事のとおり、九段線の内側で訓練を行ったとなれば、中国を刺激するかと思います。その上、潜水艦の訓練はインパクトが大きいかと思います。基本的に潜水艦は海中におり、どこにいるかわかりません。今回の訓練によって、中国は、自国の領海と主張する南シナ海に、日本の潜水艦が潜んでいる可能性があることを常に考えなければなりません。これは、中国にとって、心理的な負担となると思います。今回の訓練が南シナ海問題に対する中国へのけん制なのはわかりますが、この時期にいつも以上に中国側を刺激する訓練を行った意図は何でしょう?気になります。