雪風

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被災者、災害対応の職員に負担を強いるマスコミ 北海道胆振(いぶり)東部地震

胆振東部地震に寄せて
東北大学災害科学国際研究所・定池祐季助教   
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厚真町役場とその裏手にある避難所周辺には、常に複数の新聞・テレビの取材班がうろうろしている。役場では能動的な情報の発信に努めているが、それでも、職員の災害対応の手を止める記者が後を絶たない
             (略)
生活の場にずかずかと入り込みカメラとマイクを向ける、保護者が見ていないところで、子供に対して、犠牲者の顔写真をLINEで送るように頼むなどのケースが見られたからだ。
             (略)
「被災者の尊厳を守る」ことを忘れた取材は、被災地の真実を表しているとは言いがたい。そういう報道関係者の姿も「2次被害」になっていることに気づいてほしいと願っている
引用元:アノニマスポストネットに掲載された、9月15日室蘭日報より

 関連記事:HTB(北海道テレビ放送)、地震取材中に泥に埋まり消防に救助された件を謝罪 - 雪風

 所見
 事実ならば、呆れてものが言えません。マスコミは、災害が起こるたびに被災地に迷惑をかけているという情報はネット上でよく発信されているので、実際に起こったことと思っています。マスコミは、災害復旧のために苦労している職員に負担をかけ、被災者の尊厳を無視する行動を行っています。はっきり言って、邪魔者以外の何者でもないと思います。非常識なマスコミの取材が、2次被害になっていることに気付いてほしいと願っていると記事の最後で結んでいますが、果たして、彼らは気付くことができるのでしょうか?

 以下は、先日、北海道のテレビ局のアナウンサーが泥に埋まり、救出された際のことを内容にした記事ですが、

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泥に埋もれた女子アナは、現場の様子を伝えようと必死だったにもかかわらず、ネットでは非難が殺到したという。現場を見たライターはこう思ったという。
北海道テレビ放送は謝罪文を出しましたが、取材中の不慮の出来事です。『マスコミはどうしようもない』、なんて言われるのは、あまりにもかわいそうです
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引用元:女子アナが泥から出られない「北海道大地震」液状化の恐怖 | Smart FLASH[光文社週刊誌]スマフラ/スマートフラッシュ

 「マスコミはどうしようもないと言われるのはかわいそう」だと言ったライターは、厚真町のマスコミの被災地の取材状況を見ても、同じことを言えるのでしょうか?取材中の不慮の事故であっても、消防の人に余計な作業を作ったことには変わりありません。苫小牧日報の記事中の「職員の災害対応の手を止める記者」となんら変わりません。不慮の事故とは言え、謝罪をするのは当然かと思います(謝罪しないマスコミが多い中、謝罪したことはよかったと思います)。「マスコミはどうしようもない」と言われたくなければ、被災地の「2次被害になっている」と言われないような節度のある取材をする必要があると思います

 最後になりますが、マスコミ批判を掲載した苫小牧日報は、「被災者の尊厳を守る」ことを忘れた取材が、2次被害になっていることに気付かれたのではないかと思います。