雪風

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まとめサイトへの投稿、大阪市が「ヘイト」と認定

有識者でつくる大阪市の審査会は5日、インターネット上の匿名掲示板に書き込まれた在日韓国・朝鮮人の差別をあおる文章を編集し、まとめサイト」に投稿した2件について、市条例で定めるヘイトスピーチ(憎悪表現)に認定するとした審査結果を吉村洋文市長に答申した。
              (略)
答申を受け、吉村市長は「ヘイト行為に該当する」と判断。緊急措置としてプロバイダーに投稿の削除を要請する方針を示した。
引用元:まとめサイトへの投稿、大阪市が「ヘイト」と認定:イザ!

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所見

大阪市のホームページで、ヘイトスピーチと認定した答申書を読みました。

読んでみると、外国人を排斥するような表現があったから、ヘイトスピーチと認定したという抽象的な内容なので、具体的にどのような表現がヘイトスピーチにあたるのかが全くわかりません。

大阪市HP 大阪市ヘイトスピーチ審査会 答申第一号を参照
大阪市:大阪市ヘイトスピーチ審査会 (…>審議会>各種審議会など)

 
ヘイトスピーチの認定の流れですか、「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」によると以下のようになります。

① ヘイトスピーチがあるという申し入れを市民が行う

② 有識者による審議会によって審議(審議会は5人で構成される、また、ヘイトスピーチであると指摘された側は、審議会で反論の機会が与えられる)

③ 審議会の審議の結果、ヘイトスピーチか、そうではないのかが決まる

④ 審議会において、ヘイトスピーチと認定された場合、最終的に市長がヘイトスピーチかどうかを判断する。

⑤ 市長がヘイトスピーチと判断した場合、氏名・団体名を公表する。このときに、ヘイトスピーチを行った者に、公表の内容及び理由を通知する

 

ヘイトスピーチと訴えられた側も、反論の機会が与えられるようです。審議会は5名の有識者で構成され、審議を行っているようですが、複数の議事録を見る限り、審議は基本的に非公開で行っているようです。

「密室での裁判」と批判されてもおかしくないのではないかと思います。

平成30年度大阪市ヘイトスピーチ審査会 議事要旨を参照
大阪市:平成30年度大阪市ヘイトスピーチ審査会 (…>審議会>各種審議会など)

 
審議は非公開、答申書の内容も抽象的な内容では、ヘイトスピーチ認定に至った経緯や具体的に、何が、ヘイトスピーチだったのかが、第三者からは、わからないと思います。

このような状態では、外部の人が、審議会のヘイトスピーチ認定の過程及び認定の可否の検証がまったくできません

 
審議会が常に真っ当な判断を下すとは限りません。この審議会の審議内容を監視できるようにするためにも、もっと審議内容の情報を公開する必要があると思いました。

ちなみに、大阪市の条例は、外国人だけでなく、日本人に対するヘイトスピーチも対象になるようです。


外国人へのヘイトスピーチのみを適用対象とするのか。日本人へのヘイトスピーチは、対象とならないのか。

条例では、「人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団」へのヘイトスピーチを対象としており、すなわち、どの人種若しくは民族であるかに関わらず対象としています。よって、日本人へのヘイトスピーチも対象となります。
引用元:http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000339/339043/30.6.29toikotae.pdf

 

 この点は、東京都のヘイトスピーチ条例よりも、良い部分かと思います。