東京都 ヘイト規制・LGBT差別禁止の条例成立
ヘイトスピーチを規制し、性的少数者(LGBTなど)への差別を禁止する東京都の人権条例案が5日、都議会本会議で可決・成立した。来年4月に全面施行する。ヘイトスピーチ対策で公的施設の利用制限ができるようになるが、有識者から表現の自由の侵害や恣意(しい)的な運用を懸念する声も出ている。
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引用元:東京都:ヘイト規制・LGBT差別禁止の条例成立 - 毎日新聞
所見
この条例により、ヘイトスピーチや性的少数者(LGBTなど)への差別発言を行う団体の施設利用の制限でき、集会・インターネットで差別的な言動があったと知事が認めた場合、団体名の公表やネット上の動画を削除することができるようになります。
10月6日現在、東京都のホームページには、条例案のみが掲載されていますが、条例案どおり可決されたならば、条例の規制対象は、外国人に対するヘイトスピーチのみであり、日本人に対するヘイトスピーチは規制対象外です。日本人が、外国人に対する差別発言はいけないが、外国人が日本人に対して行う差別発言は問題ないということになります。この点については様々な人たちから、問題視されたようですが、応じなかったようです。
さらに問題と思うのは、ヘイトスピーチの拡大解釈の可能性があることです。特定の言論、特定の国を批判した言動等をヘイトスピーチと認定し、言論を封殺することもできると思います。
例えば、慰安婦問題で、「強制連行がなかった」と発言した場合、「実際に強制連行された慰安婦に対する侮辱であり、韓国人に対するヘイトスピーチである」と訴えられ、それが、ヘイトスピーチであると認定されれば、言論を封じることが可能になります。
また、日本人に対するヘイトスピーチは取り締まらないので、「旧日本軍が慰安婦を強制連行した」という発言に対し、「事実無根で、日本人に対するヘイトスピーチだ」と訴えても、ヘイトスピーチと認定されることはありません。
移民問題を政策として語るときに、移民に否定的な意見に対して、ヘイトスピーチをちらつかせて、その意見を封じようとすることは容易に想像できます。外国人に有利な言論空間を構築することが可能になってしまいます。
ヘイトスピーチかどうかを認定するのは最終的には東京都知事となっていますので、東京都知事のさじ加減ひとつで、ヘイトスピーチ認定ができるため、都知事による恣意的な運用も可能かと思います。
日本が、ホロコーストを否定しただけ逮捕されるドイツ、慰安婦の強制連行を否定すると拘束される韓国のような国になる日もそう遠くないのかもしれません。
参考記事:東京都ヘイト規制条例の問題点:東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例案 - 事実を整える