IS残虐写真投稿した右派ルペン氏に、仏裁判所が精神鑑定命令 政敵を精神鑑定にかけるのは旧ソ連で行われたこと
【9月21日 AFP】フランスの極右政党「国民連合(RN)」(元「国民戦線」)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(50)は20日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の残虐行為の写真をツイッター(Twitter)に投稿した問題で、精神鑑定を受けるよう裁判所から命じられたことを明らかにし、怒りを表明した。
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「政敵を精神鑑定にかけるというのは、旧ソ連で広く使われた手法だ。標的となった人物ではなく、政府の病的な側面を浮き彫りにしている」と指摘した。
ルペン氏と激しく対立し「半ば認知症」などと暴言を吐いたこともある極左のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏でさえ、今回の裁判所命令には「完全に反対」だとツイッターに投稿した。
引用元:IS残虐写真投稿で極右ルペン氏に精神鑑定命令、仏裁判所 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
所見
残虐描写の写真をツイッター上に投稿しただけで、精神鑑定を求められるは、やはり異常だと思います。それならば、残虐描写を含むような映画の作成、小説の執筆をするような人も精神鑑定を求められることになると思います。
民主主義社会において、言論の自由を尊ぶ人たちは、今回の精神鑑定について、右派・左派に限らず、同然、猛反対すると思います。故意に精神病と認定することで、その人の言論を封じ、社会から葬り去ることできるからです。記事中に「政敵を精神鑑定にかけるというのは、旧ソ連で広く使われた手法だ。標的となった人物ではなく、政府の病的な側面を浮き彫りにしている」とありますが、まさにその通りかと思います。政敵や国家体制にとって都合の悪い人物を精神病に認定し、精神科病院に強制的に入院させるのは、共産主義社会そのものです。フランスは、民主主義国家を標榜しているにも関わらず、このような行為を行うのは、まさに病的と思います。先日、中国で、習近平国家主席のポスターに墨汁をかけた女性が、精神科病院に強制的に入院させられるという事件がありました。
中国の上海で今月初め、「習近平の独裁には反対です」などと叫び、街頭の習氏の肖像画入りポスターに黒インクをかけた様子を中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」に生配信した上海在住の女性が突然姿を消した。警察に逮捕されたとみられていたが、故郷の湖南省の精神科病院に強制的に入院させられていたことが明らかになった。
これについて、ネット上では「本当の患者は入院させずにほったらかしだが、当局に都合が悪い健常者は逆に精神科病院に強制入院というのが、中国の実態だ」との書き込みがみられる。米政府系報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が報じた。
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引用元:習近平のポスターにインクかけた女性 精神科病院入院の波紋│NEWSポストセブン
ルペン氏と激しく対立し、「半ば認知症」と暴言を吐いたメランション氏でさえ「完全に反対」とありますが、「半ば認知症」と言ったのは、単に感情的になり、罵っただけであることは容易に想像ができますし、本気でルペン氏を認知症などと思っていないでしょう。民主主義を大切に考えている人たちならば、今回の精神鑑定に反対するのは至極まっとうなことと思いました。逆に精神鑑定を命令したフランスという国家に恐怖を感じました。