雪風

政治や経済に関するニュース等について、 私見を書き綴っています

韓国への半導体材料の輸出手続きの優遇措置停止 来月4日から

政府は、韓国への輸出管理の運用を見直し、テレビやスマートフォン有機ELディスプレー部分に使われるフッ化ポリイミドや、半導体の製造過程で不可欠なレジストとエッチングガス(高純度フッ化水素)の計3品目の輸出規制を7月4日から強化する。
             (略)
輸出を規制する3品目は、いずれも軍事転用が容易だが、これまで韓国には手続きの簡略化など優遇措置を取っていた。日本政府はこれを7月4日から契約ごとに輸出許可に切り替える。許可の申請や審査には90日間程度を要することになるという。
             (略)
引用元:半導体材料の対韓輸出を規制 政府 徴用工問題に対抗 来月4日から - 産経ニュース


関連記事:徴用工問題、韓国政府が「日韓企業に慰謝料支払い」求める ⇒ 日本拒否 - 雪風

 

所見

朝鮮半島労働者問題(いわゆる徴用工)に対する事実上の対抗措置のようです。日本は、日韓請求権協定に基づく外交交渉を韓国政府に求めていますが、まったく応じる素振りがありません。それどころか、韓国政府は、解決する気がないように思えます。

韓国側は、日本企業の資産を差し押さえている状態で、それが換金されれば、日本企業に実害が発生します。日本企業に実害が発生するようならば、報復措置を取ると日本政府は警告していました。今回の輸出規制は、あくまでも輸出許可の申請が免除されている優遇制度の適用をやめることようで、韓国企業に損害が出ないように思えます。もし、日本企業の資産を換金するようならば、即座に輸出規制するという警告であり、韓国政府が旧朝鮮半島労働者問題の解決を促す措置かもしれません。

日経新聞は、今回の対韓輸出規制にかなり批判的な論調です。1番めとして、日本は自由で公正な貿易を謳っているから、それに反する。2番めは、韓国企業が輸出規制3品目の代替先の確保を進める可能性があり、日本企業からの調達が減ることを上げています。例として、尖閣諸島を巡り、中国が日本に対するレアアースの輸出を規制したことを上げ、その結果、日本企業が中国からの調達を減らしたことを上げています。

日本が謳っている自由で公正な貿易は、ルールに基づいた自由で公正な貿易です。日本政府の見解としては、韓国の司法が、日本企業に旧朝鮮半島労働者問題で賠償金を支払うよう請求していることは、日韓請求権協定という国際条約違反という立場であり、国際条約を履行しない韓国は、ルールを守らない国家であり、ルールに基づいた自由で公正な貿易をするに値しないと言えるのではないでしょうか?

韓国企業が、半導体材料を日本以外から調達する可能性に言及していますが、今回輸出規制するのはレアアースのような地下資源でなく、製造品です。製造する技術が必要になります。製造が容易なら、すでに日本企業以外でも製造しているはずです。それができていないのですから、一朝一夕にはいかないと思います。

ちなみに韓国でもフッ化水素を製造しているようですが、2012年に5人が死亡、4000人が健康被害を受けた、フッ化水素の大規模な漏洩事故を起こしているようです(半導体製造用途でないフッ化水素と思われます)。

参考:対韓輸出規制 恣意的運用の恐れ (写真=聯合・共同) :日本経済新聞


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
クリックよろしくお願いします


人気ブログランキング